【BUMP OF CHIKENヒストリーブック】出会い、小学校時代【その1】

出会い-幼稚園から小学校へ

藤原「幼稚園の記憶って、いっぱいあるよな」
直井「あるある。いっぱいある。俺ね、はっきり覚えてんのがやっぱ藤原の記憶だね。年中さんになった時にー」
「年中だっけ?」
増川「年少が最初やん?」
藤原「年少、ヒヨコ組。年中がクリ組」
直井「だからクリ組になった時に、そっからはっきりした記憶があって」
藤原「お前ヒヨコ組からいなかったっけ?」
直井「だからいたんだけどー」
藤原「いたべ」
直井「でもはっきりした記憶はクリ組なの」
増川「俺もヒヨコはいた」
藤原「俺、全っ然ヒヨコ組ん時覚えてるよ。増川の声が高すぎたこととか(笑)」
直井「クリ組の時にね、藤くんがね、なんかもう年上だったの。大人。なんつーの、幼稚園時代の1ヶ月ってすごいデカイじゃん。すっごい差があるの。誕生日、こいつが4月で俺が10月だから。6ヶ月ってすごいデカくて。超リーダーだった。仕切ってた。仕切りまくってた」
藤原「俺、仕切ってたか?」
直井「仕切ってたよ。もうひとり背が高い奴がいて、そいつとふたりが、なんていうか…怖かったなっていうのが第一印象。あの、ブロックで遊んでた時にさ、先生は『それをバラバラにして箱にしまいなさい』って言ったんだよ。でも藤原は、なんか作った造形物をそのままボンってダンボール箱に入れたの。で、俺が『あ、藤くんいけないんだー』って言ったら、『こん中で崩すんですぅ~』って、こいつ(笑)。で、先生も何も言えないの。だってひとつひとつ持ってかなくていいじゃん」
増川「あったまいい~」
藤原「頭いいなあ」
直井「それが、いっちばん初めの、藤原の記憶かな」
藤原「なんかね、俺、何かと先生から『基央くんはお兄ちゃんなんだからみんなの面倒みなきゃダメよ』とか言われた。同級生なのに。俺よく意味がわかんなかったんだけど。それでなんかみんな『誰々にいじめられた』とか俺に言いつけてくんの。知らねーよ、っていうさ、ねえ? で、俺の地域の幼稚園バスは結構遅い時間に幼稚園に着くから、チャマとか家が近い奴らはもう来てて。先に着いた奴は、みんなが集まるまでブロックとか三輪車とかで遊んだりしてんだけど、俺着くと、チャマがダーッと駆けてきて『集めといたよブロック』って言うの。で、ピアノ開けると赤い布が敷いてあるじゃん。あれにブロック包んであって、サッて渡してくんの(笑)。菓子折りみたいな感じでサッて出して、パッて開くとブロックがあって。『これでブロック作ろうぜ』ってブロック作んの。ブロックって人気あるから奪い合いだったんだけど、いつもチャマが集めてくれてて(笑)、ブロックでいつも遊んでたよな」

幼稚園時代~藤原~

直井「そういう存在だったんだよ。だから藤原のこと好きっていうか…みんな慕ってた」
藤原「なんだったかよくわかんねんだけど」
直井「ほんと、リーダー的」
藤原「クリは俺とチャマだけだよな」
増川「俺、年中ん時はウメ」
「あれ、俺ウメじゃなかったっけ?」
増川「あ、モモだ。ごめん、モモ(笑)」
直井「だからふたりとは交流なかったよね、ほとんど。俺と藤原はバリあったけど」
藤原「チャマん家遊び行ったりしたし。増川ともちょっとあったよ、交流」
直井「そうか、ヒヨコで一緒だもんね」
藤原「俺、自分に注目が集まるのが嫌だった。なんで俺がひとから言いつけられる立場だったりさ、問題解決したりしなきゃいけないわけ?みたいな。だってみんなで遊んでて誰かがケガしたら、関係ないのに俺が怒られたりするの、おかしいじゃん。すげー不服だった。そんで積み木室っていう離れたところにある部屋によく逃げたりしてた(笑)なんかさ、組対抗のサッカー対決みたいのがあったじゃん。そん時に俺らの組が負けて、同じ組の男の子が、『あいつらすげー卑怯だよ』みたいな文句言ってたら、女の子が『負けてそんなこと言ってたら男らしくないわよ』みたいなこと言ってきたの。そんでそいつが『うっせーブス』って言ったら、その女の子が泣いちゃって。でもその女の子が、俺が近くにいたってだけで『基央くんが私にブスって言った』って先生に言いつけんの。すっげー腹立った。超理不尽だと思った。しかも『許してくれるまで謝りなさい』とか言われて」
直井「ごめんねごめんねごめんね…」
藤原「そうそう(笑)、そういうふうに言って」
直井「懐かしい~」
藤原「チャマには俺、『もっちゃん』て呼ばれてたんだよな。よく遊んでたなあ、うん。俺はチャマのこと、ヨシフミじゃなくてヨシウミだと思ってて。直井ヨシウミって呼んでた。そいで、いっちばん印象に残ってんのが、こいつの幼稚園カバンの横に…」
直井「あははは!」
藤原「横にちっちゃいポケット付いてるんだけど、そこに箸が1本だけ入ってるのね。1本だよ、1膳じゃなくて1本だけ入ってんの、いつ使ったのかわかんねぇような。『なんで箸1本だけ入ってるの?』って聞いたら、『だって1本だけ忘れた時にこれがあったら便利だろ』って意味わかんないこと言ってて」
直井「いつも大体そんな感じよ(笑)」
藤原「こいつぜってー裏切らないって思った(笑)。あ、あと怒ると頬っぺたを膨らますの」
増川「なんかすげーくるっとしてて」
藤原「くるっとしてたよな」
直井「いつも黄色いタイツ履いてた」
藤原「俺も。そう、俺とチャマはタイツ派だった。…ヒヨコ組から一緒なんだよな。で、年中から升が入ってきたんだけど。年少の時に『ひよこの踊り』やったの覚えてる?」
直井「覚えてるよ」

幼稚園時代~藤原&チャマ~

藤原「それでクリ組の時が『アンパンマン体操』。これは別に組全員がやるわけじゃなくて、指名された人が踊るだけなんだけど、俺とチャマは選抜されて(笑)」
直井「だから同じ写真に写ってるんだよね」
藤原「そう、同じ、アンパンマンの衣装着て踊ってるんだけど、俺ん家に2枚くらいその写真があるんだけど、どっちも俺カメラのほう向いてないの。チャマだけこっち見てんの(笑)。俺の親が撮った写真、チャマだけカメラ目線なの」
直井「その頃からだよ。その頃から」
藤原「で、その次の年長の時も俺とチャマ同じ組で、『宇宙の探検隊』って劇やって」
直井「そう。で、藤原は『宇宙の探検隊』の時点で既にリーダーなの」
藤原「俺隊長だったの」
直井「で俺は、ワニ。緑の全身ジャージ着せられて、『ここには、宇宙船の欠片は落ちてないよ』って藤原に言う役(笑)」
藤原「俺、任命されたんだよ。『俺隊長やりたーい』とか言ったわけじゃなく。でもすげーいい劇だったと思う、たぶん」
直井「良く出来てたよなあ」
藤原「升のいたすげー不良のヒバリ組は、なんか忍者のお話やってたよね」
「そう、やってたやってた」
直井「どういうやつだった?」
「なんかあんまり覚えてないんだけど、俺がコウモリ忍者だったってことは覚えてる」
3人「あはは!」
直井「面白すぎる(笑)」
「話は覚えてないけど、忍者が修行するみたいな話だった」
藤原「そうそう、すっげー修行してんの」
3人「あはは!」
直井「とび箱とか飛んだりしてたよね」
「俺はとび箱を飛び越えられない役で。ほんとに越えられないひとのために、上手く先生が、飛び越えられる奴が3人続いて、最後の一人は越えられないってオチを作って。俺がそういう、持ってく役をね(笑)」
藤原「めちゃくちゃ体育会系だったな、ヒバリ組は。それに比べたら俺らすごい文化的だな」
直井「文化的だったんだよねえ。色が、俺らは緑だったよね。黄緑…なんか浅い緑で。ヒバリ組はめちゃめちゃ小豆色笑。で、増川のカモメ組は青だったよね」
藤原「升はヒヨコん時はいねーべ」
「いない、ウメから」
藤原「だから年少からいる奴らから見れば、年中から入ってきた奴らは結構アウトサイダーだから。升とはあんまり交流なかった」
直井「うん、幼稚園時代の升はわかんねえ」
「あんま覚えてないけど、ほんとね、どうってことない人間だった(笑)。コウモリ忍者の最後に回されるような人間だった(笑)。でも、まあ今もそんなに変わってないと思うけど、世界の中心は自分だから。自分が年中から入ってきたら、みんなもそうしてると思ってた。自分がゼロでスタートしたら、前からスタートしてるひとは見えてない。見えてないっていうか、みんな横並びで見てたから」

幼稚園時代~増川~

藤原「増川は…」
増川「よく漏らしてた。しょんべんを」
藤原「漏れちゃうんだよな」
増川「漏れちゃうんだよ(笑)」
藤原「ヒヨコ組の時に、帰りの歌とかみんなで歌ってる時に突然泣き出すんだよ。『うああーん』とかいって。それで先生がパンツ持って走りはじめて」
増川「もうウチの親は既に先生に何枚かパンツ預けてて」
藤原「ビニールに入ってるんだよね」
増川「『ひろあき』って書いてあって(笑)」
藤原「そいで、手を引っ張られて水道のとこ連れてかれてホースでジャー洗われるの」
増川「直に全部しちゃったから(笑)」
藤原「そうそう。それ見た覚えがある」
増川「そん時ね、みんなは帰る時間で帰ってて、俺はちょっと、そういうふうに粗相しちゃったから洗われてて。すごい恥ずかしかったこと覚えてる」
藤原「(笑)」
増川「恥ずかしいから漏らしちゃうんだよ、そもそも。トイレとか行けない、みたいな感じで」
藤原「あとさ、なんかの時に、目をつぶんなきゃなんない時があって。先生が『じゃあみんな目をつぶりましょう』って言って目ぇつぶってる時に、増川が横で『薄目開けちゃいけないんだよ』ってその声がすごい高かったの(笑)」
増川「でも漏らしてる奴、結構いたよね」
藤原「いたいた」
直井「普通だもん」
増川「まあとにかく、俺はよく漏らしてた」
直井「俺も漏らしたことあったよ、絶対あったけど、覚えてない」
藤原「俺、漏らさなかった。頑なに漏らさなかった(笑)。…子供らしくないな。その時からケチなプライドがあったってことだけどね」

小学校時代~増川&チャマ~

藤原「小学校は、俺だけ違うんだよな」
直井「そう。俺は小4の時に、ヒロと同じクラスになって。そん時は俺とヒロの黄金時代だったよね。ほんと大人気だった」
増川「もうね、クラスの先生からも女子からも男子からもモテるっていうかさ、そういう奴っているじゃん。俺もね、幼稚園までは確かに、今思えば、漏らしてたりしてカッコ悪い感じだけど(笑)」
藤原「まあ漏らしてたからな(笑)」
増川「でもね、なんかひとを笑わせることに小3ぐらいでちょっと目覚めた時があって。それからね」
直井「俺もそうだった」
増川「そういうの、あったよね」
直井「そう。で、同じクラスになってから、給食が始まる前にお盆に載ったご飯をすべて平らげたり。授業中にすっげーギャグを言って先生に怒られたり。そういうことばっか」
増川「だから『立ってろ』って言われても後ろで面白いことやっちゃったり(笑)」
直井「クラスの全員に牛乳吹かせたり。あとなんか、炭酸を持ってきて牛乳に入れたり」
「あはははは」
増川「ちょっとエロいこと言ったりとか。『おっぱい』とかね。あと『ベンツとパンツ』って言ったり
直井「『パンティーパンティー、パンティーパンティー』って、ふたりで教壇の上で踊ったりとかもしてたよね」
増川「『これ、ベンツだと思ったらパンツだった!』とか、そういうギャグをずっと言ったりしてた」
直井「ネタ合わせとかしてたわけじゃなくて、もう呼吸だったよね」
増川「呼吸だね。完全に、いつでもどこでも出来てんの」
直井「でもね、今考えてみると、ヒロ昔っからこういう感じで。友達と遊びに行く約束すると、来ないの。でね、いつも俺らがヒロを呼びに行ってた(笑)」
増川「ははははは!」
直井「『ヒロくーん!』て呼ぶと、2階にトイレがあってーー」
増川「やめろよ!(笑)」
直井「なんかティッシュ飛ばしてくんの(笑)」
増川「やめろよ!!(笑)」
直井「ケツ拭いたティッシュ(笑)」
増川「やめろよ!!!(笑)」
直井「でね、声が超高かったよね。すっげー高かった。その高い声で『ちょっと待ってて、そこで』って」
増川「いや、ほんとに高かったんだよな」

小学校時代~バレンタイン~

直井「あとバレンタインの時ね。俺ら結構人気あったから、結構貰えて。で、ある女子からヒロが貰った手作りのチョコレートを、『やった、俺貰った!チャマ一緒に食べようぜ!』って言って二人でもぐもぐ食べてるとこを、その女子に見つかって。『チャマひどーい』って言われて。俺とヒロは、その日からクラス中の女子から無視されるように(笑)」
増川「俺もさ、まあその子もこっそり人目がないところでくれれば良かったんだけど、人前でチョコ貰っちゃったから、超恥ずかしくなっちゃって。それで、『やったよ俺チョコ貰っちゃったよ、みんなで食えよ』みたいな感じで。女の子の気持ちも考えずにね。『すっげー、これ銀紙に入ってるよ』とか言って」
直井「今考えると超歪な形してたよな(笑)」
増川「『固ぇー』とか言ったりして、チャマと一緒に。そういうの女子から見たら、ねえ」
直井「で、クラス中から無視されて。でも、その無視されてることすら楽しいんだよね(笑)」
増川「でもね、俺この前、佐倉のライブん時の飲み会の後にその子と再会して」
直井「あっ、そうだよな!」
増川「そうなんだよ。だから一応ね、言ったんだよ、『ほんとごめんね、あん時。あとありがとうね』って。そしたらまあ普通に、『いいわよいいわよ』みたいな感じだった」

小学校時代~チャマ&升~

直井「で、ヒデとの出会いが小5。俺、こいつほんとすげえ、『なんてセンスの持ち主だ』って思ったの。集会委員会で一緒になったんだよね。伝説の集会委員会。なんかいろいろ集会を運営するの。たとえば『豆まき集会』とか(笑)」
3人「あはははは」
「俺は小5の時からやってて、面白いからそのままやってたんだけど」
直井「俺小6からだっけ?」
「そう、チャマ小6から。で、それまではただ普通に司会するだけだったのに、なんか小6から自主的に劇をやったりとか始めて」
直井「やってたね。あと、チェッチェッコリってダンスがあって、それをみんなに広めるにはどうしたらいいかって真剣に考えて」
「たしか『なわとび集会』かなんかで、全然関係ねえのに『チェッチェッコリやろうぜ』ってなって」
藤原「ふふふふふふ」
直井「俺とヒデちゃんと、もうひとりの男の子と、まあ何人かいたんだけど、そいつらと全員組んで」
「それでチャマが。全校の千人ぐらいいる前ですっげー踊ってた(笑)」
直井「全部オリジナルの踊り(笑)。で、それ観て千人以上笑ってるだけ(笑)。ただ笑わせたかったの。で、『豆まき集会』の時に『豆太郎』ってのを考えて。俺が豆太郎で、ヒデちゃん鬼の役で。それでもう、ドッカンドッカン」
「ドッカンドッカンだったよね」
直井「そん時に俺、こいつ(升)なんてすっげーセンスの持ち主なんだって思ったの。世界が広いって思った。それまで俺とヒロとが築いてきた黄金時代があって、俺らが世界で最強だって思ったの。でもこいつは、ちょっとやっぱ世界が広いわって思った」
「なんか神懸かってたよね、あそこにいた奴ら全員。集会委員会の奴らと、あと面白いからっつって別に関係ないのに連れてきた奴と。委員会に入ってたのにつまんないからってなんもやらせない奴とかもいたよね(笑)」
直井「俺ら鬼だったよね」
「すっげー厳しいの」
直井「でも俺もヒデちゃんもリーダーとかじゃなくて、どちらかっつったら、なんつうんだろ…格はなかったよね」
「なかった。どっちかって言うと、実行する時に輝きを発するタイプ(笑)」
直井「あははは。タケロンって呼ばれてたひとがいたんだけど、その人がほとんど構成を考えてて。すごいんだよね。『豆太郎』って劇なんだけど途中からウルトラマンになったり。なんかいろんなもんが出て。それで俺が最後に言ったアドリブの言葉が――最後おばあちゃんが死んじゃうんだけど、その死んじゃう原因が、なんか俺が『死んでくれ』みたいなこと頼むから死ぬんだよね(笑)。したらそれで、校長先生面々に呼ばれて、『人の死っていうのをそんな軽く扱っちゃいけない』って大怒られして。それで集会委員会は幕を閉じたよね(笑)。で、最後に5枚の反省文を書かされた」
「全員(笑)」
直井「そのおばあちゃんが死んじゃうことだけじゃなくて、今までのこと全部についてね」
「1年間の悪行をね(笑)。もうね、最後ほんっと怒られたことしか記憶にない」
「それがヒデちゃんとの初めての出会いだよね。で、俺、その中でも小4の時、藤原に1回会ってるんだよ」

小学校時代~藤原~

藤原「小1でも会ったよね」
直井「小1でも会った。あのね、その時は『プルート』っていうファミコン屋さんがあって。そこで会った時に、俺、『もっちゃん!』って呼んで。ほんっと嬉しくて。それははっきり覚えてる。全然変わってなくて。その頃、俺にとってもっちゃんって、なんかガッチャマン…『ガッチャマン』っていうアニメあったじゃん。で、すごいガッチャマン…声がすごいね、『オイ!』って感じだったの。『こっち行こうぜい!』って感じだったの。それがすごいガッチャマンの主人公の声に似てんだよ。なんか『~ぜ』とか、結構、不良的な言葉遣いするのね。俺が『何々だよね』って言うと『オウ!』って言って。カッコいい。そういうのが変わってなかった。」
藤原「うししししし。でも小学校の俺って、結構…結構アングラだったね。アウトサイダーだった。底辺だった。学校相手に闘ってた。なんか全員底辺みたいなとこあったしな、俺の周りは。やっぱ俺、バカだったよ。2階から飛び降りたりしてたもん。『土があると平気』っていうのを証明するために笑。『昨日テレビでやってたけど、高いとこから飛び降りても下が土だと大丈夫らしいよ』とか言って。『嘘だ、死ぬに決まってる』『じゃあ飛んでみるよ』って、それで飛んだりとかして。すっげー痛かった(笑)。でも生きてた。あれは秘密裏に行われた度胸試しだったね。それがすべてを物語るかって言ったら、どうかわかんないけど。でもそういうことやってて、それで結構周りはついてきてくれてたかもしんない。なんとなくそうだったかもしんないな。でも…大体友達のこと嫌いだった(笑)。大体嫌いだった。嫌いな奴ばっかだった。なんかご機嫌とりでさ、大概、先生の」
直井「俺らそっちじゃなかったよね」
藤原「だから俺が行ってた王子台小は良い子ちゃんが多かったんだよ。チャマ達が行ってた臼井小は結構――」
直井「不良学校」
藤原「不良学校。王子台の奴は大体臼井小の奴らを恐れてたから。あの、ジャスコがあってそこに行くんだけど、臼井小の奴らに会ったら気をつけなきゃっていうのがあったんだよ。まあ臼井小の一部だけど。そこにチャマとか升は全然入ってないんだけど」
直井「うん」
藤原「チャマとか升とかは…チャマはもう、『もっちゃーん!』みたいな感じだったよな」
直井「うん。やっぱりほんとに、幼稚園の時に仲良かったとかだけじゃなくて、やっぱり藤原はリーダー格だったから。だからその後、中学になった時も、藤原に再会するってのがすごいデカいことだった。俺のイメージはやっぱヒーローはヒーローのまま。だからなんかね、中学で会えて超嬉しくて。『もっちゃーん!』って呼んだら、『お前、まだそうやって呼ぶのかよ』って下駄箱で言われたことがある」
藤原「ああ、なんかそんなような感じだったね」
直井「で、隣にいた友達紹介してくれたの」

小学校時代~藤原&増川再会~

藤原「あ、あと小4の時に増川と『ドリームボックス』っていうおもちゃ屋さんで再会したよね。俺、増川のことしっかり覚えてて。もう声がね。声聞こえた段階で思い出したの」
直井「声、ほんとすごかったよね」
藤原「そうそう。ミニ四駆流行ったんだよ、そん時。で、『ドリームボックス』っていうおもちゃ屋さんにミニ四駆のコースがあって、そこにみんな走らせに行ってたの、新しいモーターを積んだから。そいで、コースのあるおもちゃ屋さんの裏側に回りこもうとしたら、(高い声で)『見て、俺の超速くね?速くね?』って言ってんの聞こえて。ソッコー思い出した。この声ぜってーって。それまで1ミリも思い出さなかったのに、ソッコー思い出した。で、行ったらやっぱその顔があるわけで。『俺お前のこと知ってる、増川だべ』って話しかけて。したら(高い声で)『俺、確かに増川だけど?』って言って」
直井「ぶはははは!」
藤原「『俺のこと覚えてる?』って言ったら、外人さんの”I don’t know”のジェスチャーやったの」
直井「それやりながら『さっぱり』とか言うのが流行ってたんだよね」
藤原「で、俺のことは一切忘れてたの。でも、中1の時に再会して同じクラスになったら、こいつから俺に話しかけてきたの。(高い声で)『俺お前のこと覚えてるぜ、幼稚園一緒だったよな』。意味わかんねえ」
増川「ははは!」
藤原「頭ん中ほんとどーなってんだよ(笑)」
増川「(笑)たぶんね、繋がってなかったんだと思うんだよね」
藤原「あ、俺のイメージみたいのが?」
増川「こいつの名前が藤原だっていうのとかも覚えてなかっただろうし、小4で会った時は。まあでも、一緒のクラスだったっていう事実だけはたぶん知ってて。それで中学ん時に、名前を聞いて思い出したんだと思う(笑)」

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ABOUTこの記事をかいた人

幼少期、絵描きになりたくて毎日絵を描く。地元の写生大会で金賞受賞。
高校生の頃からバンドを組み、作詞・作曲・編曲・映像を担当。ライブで知り合ったバンドマンとは今でも仲良し。

25歳から独学でデザイン・ウェブ制作を0から学習し、ウェブデザイナーとして中途入社。自分だけの武器を探し、デザイン、マークアップ、企画、マーケティング、SNS、広告など片っ端から勉強。
今はその知識を活かしてPdMを担当。

その傍ら数々の副業(イラスト制作、アフィリエイト、古着転売、ハンドメイド、作曲)をして、現在30代に突入。

東海在住。
運営ブログ「シュマリ」は月間3万PV。
読んだ漫画は4万冊。