【BUMP OF CHIKENヒストリーブック】中学校時代、バンド結成、文化祭【その2】

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中学校時代

直井「俺、中学1年生の時はすごい普通だった。小学校の最後に応援団長をやって、それでもう、俺の時代は一旦終えた。その時にほんと、すべてを手にしたから。マジでモテた。彼女とかいたもん、だって。小学校の時に。そんときがファースト・キスだもん。だから、中1はすっごいおとなしかった。なんか様子見だったよね」
藤原「中1とか、みんな牽制し合ってたからな」
直井「うん。やっぱみんなそうだよね」
増川「そうそう、だからいろんな学区から、いろんな人達が集まるわけじゃん」
直井「あと、仲の良かった奴とも別のクラスになっちゃったから、ほんとおとなしかった」
藤原「ある程度の理性とエゴみたいなのも芽生えてるしな」
直井「で、中2でヒデちゃんと同じクラスになって。こっから始まったね。またね」
藤原「別の伝説を作ったよな(笑)」
「うししししし」
直井「俺とヒデちゃんともうひとりで『トイレッツ』っていうのを組んだの」
「最初はただバレーボールやってたんだけど、もうひとりが『こうすると面白いよ』って言って、サンポールっていうトイレ洗剤に、ね?」
藤原「『混ぜるな危険』って書いてあるのにいろいろ混ぜて、いけないガスを作るの(笑)」
直井「それでトイレん中で変な匂いを発しながら思いっきりバレーボールをやって。蛍光灯いくつも割って(笑)」
「『目が痛え、痛え』って(笑)」
直井「あとよく、呼吸止めたりして遊んだよね(笑)。で、その頃、ヒデちゃんがヴィジュアル系の音楽とか聴いてて。そん時のヴィジュアル系ってすごいアンダーグラウンドな存在で」
藤原「Xが出はじめた時だよな」
直井「そう。そいでヒデちゃんが俺に、Xの「Vanishing Vision」を聴かせてくれて。それがもうすっごい衝撃で。「音楽カッケー!」って思った。だからヒデちゃんが俺に音楽の一番初めの、すごい衝撃をあたえたひと」
「俺、5歳上くらいのねーちゃんがいて、それがすごい聴いてたんだよ。自分が中学生の時に高校生だとさ、憧れってんじゃないけど、カッコいいなみたいなとこあるから。だから音楽の善し悪しとかじゃなく、「周り誰も聴いてないけど俺は聴いてる」みたいな感じで。」

中学校時代~バスケ部~

直井「そう、なんかマイノリティーな文化が自分に欲しかった。俺、中1の後半でサッカー部を辞めてバスケ部に入ったんだよね」
藤原「チャマ以外の俺らは最初からバスケ部」
直井「そう。で、そん時に再会した久しぶりのヒデちゃんは、超いじめっ子笑。藤くんはソッコー受け入れてくれたし、ヒロも超仲良かったから、『やった!』って思ったの。こいつらといるのすげー楽しいと思ってたから。ヒデちゃんだけ、『あいつはサッカー部から入ってきたハンパもんだから仲良くするな』みたいな感じ。いじめられまくったもん。すっげー怖かったもん。『ヒデちゃん超ヤダ』って思ってた。」
「はははは」
藤原「まあ、俺らの中で上手い奴なんかひとりもいなかったんだけどな(笑)」
直井「俺ら全員補欠だもん」
藤原「ダム作るのは上手かったよな。体育館を使うのはレギュラーの奴らで。俺らザコは外行って練習しろって言われて、で、外行くとダムばっか作って(笑)」
直井「一軍になる可能性なんてなかったよね」
藤原「俺、練習すら出てなかったな。それで先生に『お前練習来ないんだったら資料作ってくれ』って言われて、なんかシューティングの記録したりとかして」
直井「俺は藤原のいる世界とヒロとヒデちゃんのいる世界を交互に渡り歩いていた」
「たぶん一番面倒くさかったのは俺と増川とかで(笑)」
増川「ずっとダッシュとか、マラソンとかね」
「声だしながらドリブルしてるみたいなね。」
藤原「『ファイト~!』って言って(笑)」
「で、疲れてきて、ドリブルしてても足とかに当たってボールが転がって、レギュラー転ばせたりして、すっげー怒られたりとか。『邪魔すんじゃねえよ』とか言われて」
増川「レギュラーって言っても、先輩でもなければタメだったりするんだけどね。一個下でも余裕で試合に出てる奴とかいたし(笑)」
「そいつらたぶん俺らを見てムカつくだろうし、俺らもどうにもならないみたいな(笑)。だからクラスの中でも、バスケ部のレギュラーチームが、そっちはそっちで別の世界を形成してて。それをAとすると俺らはZみたいな」
増川「でもそのレギュラーチームが組んでるのが真っ当な中学生だと思うよ、たぶん」

中学校時代~チャマ&升~

直井「だって俺とヒデちゃんは、昼休みに勇気を出して学校の外出て。外出るって超すっげーことなのね。超不良だよね。だから見つかんないように思いっきりダッシュして。刑務所から逃げるみたいな感じ。で、意味もなくチャリンコ落として帰ってきた」
3人「あははは」
直井「『イエーイ!』っつって」
「なんか置いてあったから、落としてみたんだよね(笑)」
直井「そういうことばっかやってた」
「チャマがこっそり俺のところ来て、『今300円あるから、ジュース買いに行かねえ?』とか」
直井「チャマがこっそり俺のところ来て、『今300円あるから、ジュース買いに行かねえ?』とか」
藤原「いやあ、クールだなあ」
「それで、ジュース買いに行くっていう」
直井「ワタナベ商店まで走るんだよね。それ、すっげーハードだった。だって、その間に先生に見つかったらマジで酷いよ?」
「ほんとにね…殴られる(笑)」
藤原「ボコだよな。ボッコボコだよ(笑)。うん、ワタナベ商店まで行ったのはクールだな」
増川「遠いしな」
直井「で、買って、トイレで飲んでたからね」
「トイレッツだから(笑)」
直井「ずっとトイレにいたよね。トイレの法律とか作ってたから(笑)」
「あと雪の日に校庭に…俺らの学校って全部の窓から校庭が見えるんだけど、視聴率を稼ぐために校庭中に『うんち』って……」
藤原「あ、それ俺もいたぞ」
直井「お前いたよなあ。だから、目立ちたかったんだよね。雪が降ってせっかく綺麗だからなんか書きに行こうぜって言って、その辺の主要メンバーを拾って…」
「主要メンバー(笑)」
直井「みんなで『うんち』って校庭中に書いたの。デッカく。すっごいデッカく。で、次の授業の時間それをみんなが見る。」
藤原「いや、書いてるときから、1年から3年まで見るじゃん」
直井「モテるわけなかったよね(笑)。女子からもう無視されて(笑)。卒業式の日に言われたのが『あの3人とっつきにくいよね』(笑)」
「でもなんか、チャマが結構、クラスでおとなしめの女子と仲良くする癖を 持ってて(笑)。休み時間に本読んでるようなね」
直井「(笑)なんかね、萌えてた。キャピキャピ、ガーッていう女の子よりもね、隠れて漫画読んでたり小説読んでたり、ノートにこっそり絵描いてる子のほうがとっつきやすかったの。そういう子とばっか話してた。キャピキャピした子になんの興味もなかったんだよね。『あれはちげーな』って思ってた。漫画の話してる子とかのほうが俺にとっては価値があったの」

中学校時代~藤原&増川~

藤原「俺と増川は、だからチャマと升が小学校時代に”集会委員会帝国”を築いたみたいなノリで、俺と増川は大ブレイクして。まあ、基本的にザコだったと思うんだけど(笑)。要はネタをやってたんだよな。それでその噂が広がって、すげーコンビがいるらしいっつって他のクラスからも観にきて、面白いことやってって言われて。で、やるわけだよね。教室の後ろだったり、廊下だったり階段の踊り場だったり体育倉庫だったりで、いろんなネタやったな。で……中1の時の升の印象派……隣のクラスだったから、体育を合同でやってたんだよね」
「うん」
藤原「俺は升は、すげーヤな奴だなと思ってて(笑)。ひとの足元を見て、揚げ足取ることばっか考えてる奴なんだろうなと思ってて(笑)。でもバスケ部とかで結構仲良くしてたんだよな。だから嫌いだなってんじゃなくて、ヤな奴で好きみたいな感じ」
直井「ヒデちゃん厳しかったからなー。今と全然違うよ」
藤原「そうだ、1回升が、俺と増川んとこに『お前らそんなにすげーすげーって言ってっけど、言っても大したことねーべ』って値踏みしにきて。どうにかしてあいつら大したことねーよってネタを掴みたかったんだと思うんだけど笑。『俺がお題出すからなんかネタやってみろよ』って升が言い出して。俺らはどんと来いよって感じなの。『この階段使ってなんかやってみろ』って言われて。『いいよ』っつって、まったく同じ動きと同じ言葉をな」
増川「そう。なんでかな(笑)」」
藤原「親友だったよな。交換日記とかしてた」
増川「毎日ジャスコ行って」
藤原「ラーメン食って」
増川「で本屋さん行って。時には別の本屋さんまで歩いて行ってたりしてて笑」
藤原「そうそう、すごい歩いたね」
増川「で、空想の話とかいっぱいしてた」
藤原「こいつはほんと面白かった。何が面白かったって、短パン――」
増川「あははは」
藤原「中学の体操服が半そで短パンだったんだけど、そのまま遊びに行っちゃうの笑。さすがにみんなちょっと色気づいててさ、ドライヤー当てるやつもいるじゃん、髪にさ。チャマはボンタンとか履いてたしね。紫のTシャツとか着て。それはそれでお洒落心だろうし。そんな中でひとりだけ短パン(笑)。半そで短パン。で、声高い」
増川「アウトだよな(笑)」
藤原「で、一緒にジャスコ行ってラーメン食って。ラーメン食うって行為自体めちゃめちゃ大人じゃん、中学時代。だからすっげー大人な気分になって。そういう時に、増川が気ぃ利かせて水を3つ持ってきてくれたの。そういうのもすごいカッコ良く映るの(笑)。で、『うおおお、こいつすげー大人じゃん』みたいに思って。でズルズル食ってて、まあ水飲もうかってなったら、なくなってんの、全部。ひとりで全部飲んでんの。しかもなんか――」
増川「なんか咽ちゃって」
藤原「なんかゲップかわかんないけど、ゲロー、ゲローってずっと止まんねえの、5分くらい」

中学校時代~藤原&升~

増川「(笑)ゲーセン行ったりしてたね、あと」
藤原「ゲーセン行ったね。ゲーセン行くとチャマが奥のほーうにいて。チャマのそんとき連れてた友達、結構悪い奴が多くて。チャマは『もっちゃーん!』とか『藤原ちゃん!』とかそういうノリで、ハイテンションで話かけてくれるんだけど、でもボンタンとかなんだよ。一緒にいる奴らはペッとか唾吐いて、『あいつカツアゲしようぜ』とか言ってるような奴らばっかで。俺はそれは結構、衝撃的ではあったんだけど。それで、中2んなったら、俺の小学校時代の同級生にいきなり『升って奴がお前と友達になりたがってるよ』って言われて。聞いてみたら、升が俺の小学校の卒業文集を読んだらしくて、それで俺に興味持ってくれたらしく」
「そう。『黙れガチャピン』っていう……卒業文集だから、みんな『先生ありがとう』みたいなこと書いてあるのに、こいつだけなんか、逆に『死ね先生』みたいな(笑)」
藤原「ガチャピンって先生のことなの(笑)」
「なんかね、すごいクるものがあった」
藤原「俺、それ提出した時にすごい怒られたの。最初『くたばれガチャピン』だったのね(笑)。『藤原くん、面白いのはわかるけど、くたばれとか汚い言葉使っちゃダメ』とか言われて、渋々書き直したの。 でも内容は決して妥協しなかったの。俺は書きたいこと書いたの。それを認めてくれたのが升だったの。結構嬉しかった」
「はははは」
藤原「なんか升は、とっつきにくかったの。愛想も悪いし。でも『黙れガチャピン』を読んでくれた後は、すげー可愛いの(笑)。中2のキャンプの時に、カレーを作るんで班ごとに買い物をした時があって。で、チャマも一緒に行ったよね?ジャスコにニンジンだとかルーだとか玉ねぎだとか買いに行って。したらなんか女子に『さっき升が藤原のこと探してたよ。ひとりで探してて可哀想だから早く見つけてあげて』って言われて、俺キュンときたの(笑)。で、升を見つけたの。したら『おお来てたんだ、偶然じゃん』みたいな感じでテクテク来て。すげー可愛いなーとか思って(笑)。そんな感じで仲良くなってって。一緒にプールも行ったよね?」
「(笑)」

バンド結成~バンドやろうぜ!~

藤原「中2の夏休み結構遊んだよな。そこら辺からだから、チャマもいて増川もいて升もいて。バスケ部だったてのもあったし、あとみんなそれぞれ塾に行きはじめたんだけど、終わる時間が大体一緒だったんだよね。で、みんなで駅前に集まって、適当に駄菓子とか食いながら。そういう時間はすごく重要だったと思う。それで中2の2学期……いや、七夕の時だ、思い出した。七夕の短冊に、そのトイレッツの奴が『ドラムが欲しい』って書いたんだ」
「そう。で、俺が『ベースが欲しい』って。『お前ドラムなら俺ベース』って感じで。まあベースが何かよくわかってないんだけど(笑)」
藤原「その日は放課後に、早速俺んとこに来て。俺らのクラスは先生に怒られてて、帰りの学活が長引いてたの。それで先生が話してる時にぼけっと後ろの廊下の窓を見たら、升がすげー手ぇ振ってんのが見えて(笑)。学ランの升がさ、教室の窓んとこから結構な笑顔で手ぇ振ってんの。そいで終わって『どうしたの?』って出てったら、『バンドやろうぜ』って言われて(笑)」
「それで仲良かった仲間を足して、4人で『これでバンドやろうぜ』みたいな感じ」
藤原「そうそう。でも結局ドラム買うって言ってた奴がお年玉でギター買っちゃって。その後はもう、なし崩し。話だけ盛り上がってこう着状態になっちゃって。……俺、アコギを持ってたんだよ。小6ん時にお小遣いコツコツさ、貯めてさ。お姉ちゃんの同級生から3000円で譲ってもらったんだけど。だから……俺そういうの興味あったってことだよね。『あ、やっぱこういうタイミングで来るんだ』って思ったんだ、升に誘われた時。『じゃあ俺があん時アコギ買ったのも、あながち偶然でもなかったかもしんねーな』とか思った。そんでバンドやることになったんだけども、今言ったようにドラム買うって言ってた奴がギター買っちゃったからさ。そいで……どうなったんだっけ?」
「だから中2は何もしなかったね」
藤原「でも、俺と升はバンドの話したくてしょうがないから、話し合いとか言って誰かん家集まったりして、結局エロ本交換して終わるみたいな(笑)、無駄な集まりをやってたんだけど、よくチャマはそれに来てたんだよな。で、チャマはチャマでベースやりたいと思ってて」
「俺は短冊には『ベースが』って書いたけど、結構もう、バンドがやれればベースでもドラムでもいいみたいな感じになってたから(笑)」
藤原「俺はヴォーカル以外考えられなかった」
「俺はだから、音楽がやりたいわけじゃなくて、バンドがやりたかったの(笑)。それはやっぱ、中学生だからとしか言いようがない(笑)」
藤原「勝負したかったんだよな。つうか、モテたかったんだよな(笑)」
「周りにやってる奴がいなかったのもデカい。俺だけが、っていうスペシャル感が大事」

バンド結成~運命~

藤原「あれ、中2の10月くらいか。チャマがベースを買ったの」
直井「なんかねえ、みんなと一緒っつうのがトコトン嫌いだったの。だからみんなギター買うっていう集団的な行動とかもすっごい嫌で」
藤原「ギターは結構みんな持ってたんだよな。あんまヤル気のねえ奴に限って買ってんだよ。しかもカツアゲした金とかでだよ?」
直井「すっごい腹立った。で、みんなとかぶんのもヤだったし、やっぱ圧倒的にベースがカッケーって思ってたの。それで1年前からお父さんに頼んで、いろんな手伝いしたりして、で誕生日に19800円で全部ついてるやつ──ストラップとかチューナーとかアンプとかついてるやつを買ってもらって、フェルナンデスの。バンドが出来なくてもベースを持てれば、ずっと家で弾けるし幸せだと思ってたから。ひとりでコツコツ練習して。俺んち居酒屋だからバリバリ音出せるし。そういうことばっかやってた」
藤原「で、チャマがベース買ったって情報聞いて、じゃあベース揃ったじゃんってことになって。あとはお年玉でドラム買うって言ってた奴が買えば出来るってことになったんだけど、その来たるべき正月に、そいつがギター買っちゃって。それで空中分解になってた時に、ある日、俺と升を繋いでくれた友達から電話かかってきて『お前らって一時期バンドやるって言ってたけど、まだやりたいとか思ってんの?』とか言われて。『やりてえけど、あいつがドラムやるっつってたのにギター買っちゃったしさ』って話したら、『じゃあドラムがあれば出来んの?』とか言われて。『うん、出来んだけどさ』『俺ん家の坂の上に落ちてたよ』『えぇっ!?』っていう。それで全員集合で拾いに行ったんだよな。そうすっと俺ギター持ってたし、チャマベース持ってたし。必然的に升がドラムってなって、升ん家に持ってったんだよね、全員で、バケツリレーみてえな感じで。フルセットあったんだよね、パールのドラムが。あれは……ほんと運命じゃね? ふふふ」
直井「でまあ、ギター持ってる奴いっぱいいたから、それでバンド出来んじゃんってなって。で、ウチが毎週火曜日が定休日だったから、これで練習するとこもあんじゃんって」
藤原「ウチなんかは『バンドやりたい』なんて言い出せない感じだったんだけど、チャマん家はみんなすごく理解してくれてて」
直井「『カッコいいじゃない』って(笑)」 」
藤原「『お前ら、本気でやるんだったら火曜日休みだからお店使っていいぞ』って言ってくれて。ちっちゃいアンプとか、持ち込ませてもらって。ドラムも升ん家からそっちに持ってきて。それで『バンドやろうぜ』って雑誌とかについてるスコアで曲合わせたりしたよね」
直井「藤原はエレキ持ってなかったからアコギで。でもね、ほとんどそん時はずーっと、練習しないで遊んでた。なんか話してたよね。まだヒロとかもいなかったし」
藤原「うん」
直井「俺が積極的にヴィジュアル系をやりたいって言ってて。なんか俺、アンダーグラウンドな感じ、マイノリティーな感じをすごい好きになる子だったから。そういうのに惹かれてて」
「それがね、たまたまヴィジュアル系だっただけであって(笑)」
直井「そうそう。だから臼井には、洋楽は入ってこないんだよね。ニルヴァーナとか、そういうのはないの。一切なかったよね」
「なかった(笑)」
直井「あってもボン・ジョヴィとかミスター・ビッグとかぐらいだし(笑)」
藤原「あと3年遅ければ、きっとハイスタとかが俺らにとってそういうふうに響いてたよな」
直井「そしたら俺、メロコアやりてーって言ってたろうし(笑)。だからそこに思想はそんなになかった。ただやりたいっていう。で、中3になって、文化祭があって。そん時の生徒会長がビートルズ狂で。俺らがバンドやってるっていうの聞いて、『俺と一緒に文化祭出ようぜ』って言ってくれたんだよね」

バンド結成~文化祭~

藤原「生徒会長の権限を使って、生徒有志で出し物をしていいっていうシステムを、そのひとが構築したんだよな、臼井西中学校創立から初めて。で、『俺ビートルズやりたいからお前ら一緒にやろうぜ』って言われて。『練習とかしてんの?』『してる、チャマん家でやってる』『じゃあ俺見に行くよ』って言って来てくれて。『お前ら全然クソな!最悪な!』って(笑)」
「すっげー言われたよね。でも言われても全然わかんないの、なにがクソなのか(笑)。『お前らこれで文化祭出るんなら、ほんっと茨の道歩くけど大丈夫?』って言われて、なんかわかんないから『うん、大丈夫、大丈夫』って(笑)」
藤原「それで出ることにしたんだよな。なんか『エレキの若大将』みたいな感じの生徒会長だった(笑)。上手かったよね」
直井「だって弾き語りで”イエスタデイ”とか、全校集会で歌ったりしてて」
藤原「それで生徒会長当選したの。で、そいつはビートロックなんてやりたくないんだよね」
直井「だから、まあ俺らの意向で、LADIESROOMの”ゲット・ロスト”をね」
藤原「LADIESROOM最高だったよね(笑)。超グラム・ロックじゃん」
直井「俺らにとってはもうアンダーグランドの極致だったよね。俺、はっきり言ってその頃、悪夢とか聴いてた。あとルナシーのインディーズ盤とかも」
藤原「正直俺としては、升とチャマがカッコいいって言ってるものの中の、ある部分は共有出来たけど、ある部分はついていけないところがあった。その退廃的な美学とか。ほんと化粧しなきゃいけないのかな、って思った時もあったし(笑)。あと、そういうバンドのひと達ってさ、絶叫だったりする時あるじゃん。やっぱ俺歌が好きだったから、ちょっと違うなって思ったりして。詞もほら、印象的なものが多いじゃん」
直井「屍とかね(笑)」
藤原「今見ればわかるけど、当時は『なんだコレ?』って。血とか肉とか影とか、なんか怖えなと思うくらい(笑)。そん中でもLADIESROOMは俺にはポップに響いたし。何より歌だったし。LADIESROOMは良かったよ、化粧はしてたけどさ。俺らはしなかったけど」
直井「スポーツ刈りだった(笑)」
藤原「ニキビのスポーツ刈り(笑)」
直井「で、文化祭に出ることになって。先生達はもちろん、『そんな音楽なんてダメだ』って」
藤原「『ガシャガシャうるさいのはダメだ、クラシックを聴きなさい』って」
直井チ「でも俺らどうしてもやりたいっつって、すっごい頼みまくって。したら『わかった、1回だけオーディションしてやるから』って」
藤原「すげー嫌味だったよな。だって学校の授業が、たとえば3時に終わるとしたら、『3時半からオーディションを始める、1分でも遅れたら失格』とか言われて。家まで戻ってギターとか持ってこなきゃいけないのにさ。超卑怯じゃん、そんなの」
直井「だから緻密に計画立てたよね。ウチのお父さんに手伝ってもらって楽器運んだり」
藤原「友達も、『お前ら頑張ってっから俺ら協力してやるよ』って言ってくれる奴もいたり。そういう女の子にちょっと……」
直井「萌え?(笑)」
藤原「萌えっとかなったりして(笑)。ふふってなったりした。まあ別に好きになったりとかはないんだけどね。で、俺なんて片道2キロ近くあるからさ、学校まで。ダッシュで家まで帰って汗だくでギター持って帰ってきて。で、『ドラム着いた?』って言ったら全部着いててさ、ちょっと感動しちゃった。で、3時半とかにはもう音出せるような状態になってて。”ツイスト・アンド・シャウト”と”スタンド・バイ・ミー”と、LADIESROOMの曲を、3曲やったんだよね。1曲目はLADIESROOMの曲で、先生ぽかーんとしてる感じなの。で、2曲目で”スタンド・バイ・ミー”やって、3曲目で”ツイスト・アンド・シャウト”やったんだけど、そこで先生大ウケ、みたいな(笑)」
直井「『俺も知ってるよ、その曲』みたいな」
藤原「やっぱ生徒会長あなどれねーなと思った(笑)。このための選曲だったのかと思って。『オヤジ連中さえ引き込んじまえばこっちのもんなんだよ』みたいなこと言ってたから(笑)。で、出場権をゲット出来た」
直井「大成功だったよね。もう総立ちで、全校生徒。3曲終わって、ウワーッってなってて。幕が下りたらもう、アンコールがあって」
藤原「やまないんだよね」
直井「出来る曲がねーんだよ。だからもう一回”ツイスト・アンド・シャウト”(笑)。それしか出来ねーから。それでも客は大ノリで。終わった後、超ヒーロー。『お前らほんっとカッケーな』って」
藤原「超不良の奴に便所で会っちゃって、なんか『調子こいてんじゃねーよ』とか言われんだろーなーと思ったの。したら『おう、マジカッコ良かったよ、良かったよ』って」
直井「その一言が一番嬉しかったよね(笑)」
藤原「あとなんか、不良軍団の中でさ、ブームに乗じてギター買って、やらねーから誰かにあげちゃったとかいう奴もさ、『あいつギター返してくんないかな』とか言ったりしてな(笑)」

バンド結成~バンプ・オブ・チキン~

直井「で、その後すぐクリスマスがやってきて。俺らはもう、味しめちゃってんの」
藤原「文化祭の時のね」
直井「ひとつ拳をあげればみんなが総立ちになる感覚ってのを覚えちゃってたから。だから近所のちっちゃい施設があって」
藤原「臼井青年館。おじいちゃん達がゲートボールやったり碁を打ったりするところ」
直井「そこでクリスマスにライブをやろうっつって。ヒデちゃんのお母さんがそこを管理してたんだよね。で、使えることになって」
藤原「ちゃんとやったよな。チケットも作って」
直井「そん時から、ヒロが手伝ってくれるようになって」
藤原「スタッフ的な感じでな」
「『レディース・アンド・ジェントルマン』とか言って幕を開ける係だった(笑)」
直井「それでやったんだけど、もう、めちゃくちゃ大失敗」
藤原「やる前に、まだ幕閉まってる時に、ザワザワってちゃんと聞こえたんだよね。文化祭のイメージあっから、客いっぱいいっぱいだべって思ってた。で、『どうなの増川、どうなの?』ってコソコソ行くと、『おう……結構来てるよ』みたいな(笑)」
直井「ちょっとモゴモゴしてんの(笑)。もう状況わかってたから(笑)。で開けたら、後ろのほうに不良がたまってるだけ。女の子達は気まずそーうに。でも俺ら演奏して。藤原が弾き語りで”TRUE LOVE”を歌って(笑)」
藤原「俺その時、歌い終わった後に好きな女の子に告白するってシナリオが出来てたんだけど、その子が来てなかった(笑)。でも幕が開いた瞬間、ほんと躊躇したよね」
直井「躊躇した。だからそこで俺らもう、挫折っていうか厳しさみたいなのを知ったね(笑)。で、終わった後に来てた客が俺らを励ますみたいな(笑)。みんなで公園に集まって焚き火して。でもみんなほんと励ましてくれたよね。『お前らは良かったんだけど、俺らもどうやってノっていいかわかんなかった』って」
藤原「『同い年の奴らがこんな頑張ってんの見ると呆気に取られちゃうしよー』とか言ってくれたりして、ちょっと泣きそうになった」
直井「俺はほんと、中2で自分がベース買った時点で『プロになりたい』じゃなくて『なる』っていうのがわかってたの。ならないわけがないでしょって感じ。だって、もう俺ら、世界で一番カッケーと思ってたの。でもそでもその後、受験になってみんなバラバラになって、まあ塾とかの帰りにみんなで会ったりする程度で。毎週火曜日の練習はなくなっちゃってたんだけど、受験が終わって『どうする?』ってことになり。それで何気ない感じでまた火曜日に集まりだしたの。そん時は藤くんと俺とヒデちゃんになってたんだよね。で、藤原が申し訳なさそうに『俺、新しいメバー入れたいんだよ』って言ったんだよね。それで、ヒロともうひとりを連れてきたの。ヒロは大歓迎だった。ずっと友達だったから、なんでやんないんだろう?とすら思ってたし。そっから始まったのよ、高校時代のバンプ・オブ・チキン。……まだバンプ・オブ・チキンってついてなかったけどね」

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ABOUTこの記事をかいた人

幼少期、絵描きになりたくて毎日絵を描く。地元の写生大会で金賞受賞。
高校生の頃からバンドを組み、作詞・作曲・編曲・映像を担当。ライブで知り合ったバンドマンとは今でも仲良し。

25歳から独学でデザイン・ウェブ制作を0から学習し、ウェブデザイナーとして中途入社。自分だけの武器を探し、デザイン、マークアップ、企画、マーケティング、SNS、広告など片っ端から勉強。
今はその知識を活かしてPdMを担当。

その傍ら数々の副業(イラスト制作、アフィリエイト、古着転売、ハンドメイド、作曲)をして、現在30代に突入。

東海在住。
運営ブログ「シュマリ」は月間3万PV。
読んだ漫画は4万冊。