音楽雑誌「B-PASS」に1999年~2000年まで連載されていた、BUMP OF CHIKENボーカル藤原のコラム「藤原インテリ日記」の文字起こしです。
目次
藤原インテリ日記 第一回 「ヒマな人の為の1ページ」
初めまして。
BUMP OF CHICKENというバンドで唄っていますよ。
「藤原もとお」といいますよ。よろしく。
今回は記念すべき第一回目なのですが、読んでる人はいったい何がなんなのかさっぱり分からんだろうと思うので、軽く説明しますよ。
BUMP OF CHICKENというバンドのボーカルがB-PASSから「好きなように書いて良いよ」という具合に、このスペースをもらったのですよ。
でも僕思うんですよ。どこの馬の骨かもわからん奴の日常を知っても皆さんつまんないよね。まず知ってもらいたいじゃない?僕の事を。
だから今回はこんな感じになっちゃった。
なんかすごくユルユルな文章だよね。
だけどさ、正直こっちだってどうすりゃいいのかさっぱりなんだよ。
次回はまともな事書きてえよ。
藤原インテリ日記 第二回 「秋の夜長に読めばグッスリ」
もう残暑だというのに、なかなか秋の気配は感じられないですね。
このクソ暑い中、僕はバンドでツアーに行ってきます。予定の中には大阪が含まれていますよ。
大阪には前にもライブで行った事あるんだけど、その時遊びに行ったのが「海遊館」っていう水族館なの。
そんでそこにはジンベイザメっていうすげえでかいサメがいて、俺スゲェおどろいた。感動したね。あのデカさ。
小さい頃から海のデカい生き物が好きなのですよ。サメはもちろん、クジラでしょ、オバケクラゲでしょ、ダイオウイカでしょ、ピラクルでしょetc…。
すげんだよデカくて。なんか、こう、ヌルッとしてて。
ネッシーとかマジ見たかったもん。
将来はクジラを飼って(飼えるのかな)一緒に暮らしたい。
今回も大阪でジンベイザメ見てこよう。またユルユルな文章になっちまったぁ。
藤原インテリ日記 第3回 「コラムの中の小宇宙」
僕ね、ボーカルとギターやってるんだけど、しょっちゅう弦を切るんだよ。
ギターの弦。これはもうガキの頃からのクセなの。通算5000本はいったかな。こないだのワンマンライブなんて、最後弦4本しかなかったもん。
マトモに弾けるかっつうの。なんで切っちゃうんだろう。力が入りすぎてんのかしらね。でもね「うわぁ、弦きれちった!大ピンチ!」みたいにはならないのよ。本当。
逆に燃えてきちゃうんだよね。ハンデの中で。「さぁ、おもしろくなってきたじゃねぇか。」みたいにね。
そういう時にでてくるフレーズとかって、通常では思いつかないような変態フレーズ(?)だったりするわけよ。
自分でビックリ。こういうのって人生の色んな部分でつかえないかしら。
藤原インテリ日記 第四回 「空気が冬になってきたよ」
母がこのコーナーのためにB-PASSを毎回買っている事が判明。
B-PASSに限らず、近の彼女の行動には目を見張るモノがある。
僕が出るテレビ番組(本当にたまにだが)は必ずチェックしていて、しっかりビデオに残しておくし、この前はホームページの掲示板にも何の前ブレもなく出現した。
全くおどろかされるばかりの行動力とパッション。
どうやら息子のちょっとした活躍ぶりを非常に喜んでくれているようである。
もちろん有り難く思うが、反面、照れくさい気持ちも多々ある。
ここらへんからはお涙頂戴っぽいニュアンスになってしまうと思うので、軽く読み流して下さい。お願い。
僕は小さい頃から親に迷惑ばかりかけてきた。
バンドに夢中な僕は、そのバンドの為、親に将来の心配などもさせた。
まぁよくある話。そんな話の中で、僕のやっているコトが少しずつ上手く行き始めている、というコトは、母にとってとても嬉しい事だったようで、僕もなんだか感無量である。
「恩返し」なんてガラじゃないが、その内マンション買ってやりたい。
藤原インテリ日記 第五回 「シングル発売!!」
インテリ日記わずか五回にしてスペース拡大!
すげえなB-PASS。
お母さんお父さんetc見てるかい。オレは頑張っているらしいよ。
さて、1stマキシシングル「LAMP」発売したよ。もう皆は聴いてくれたのかしら。聴けばわかるだろうが、今回もオレ名曲作っちゃったよ。まいったね。
だけどね、まだまだ。まだまだオレは名曲を生みだすよ。だって天才だからな!!ROCK STARだからな!!
今、アルバムレコーディングの真最中なんだが、すげえぞオレとその仲間達が最強のロックに仕上がりそうだぜ(下手クソだが)!!!!
最近様々な雑誌、ラジオ等で「2000年の目標は?」なんてコトを質問されるが、目標なんてモノはロッカーには必要ないのサ!
あるだけ無駄!ジャマ!そんなモン抱えたって間髪いれずに消化しちまうからな!!
まぁ強いて目標を作るとしたら「死ぬ時ゲラゲラ笑えますように」だな!
よし、これでいこう!来年もその次もずっと、オレはこれでいこう!ウン!ゴメンな。
正月だからって調子のりすぎだよな。
藤原インテリ日記 第6回 「2000年突入!」
祝成人!成人式に参加しましたよ。スゲェおもしろかった。
皆スーツ着て晴着着て、スゲェ濃かった。
中学校や小学校の同級生と久々に会って抱き合ってきたよ。ウン。皆が口をそろえて「昨日TVで見たよ!」とか「ラジオで聴いたよ!」とか「B-PASS読んでるよ!」とか、スゲェ激しかったよ。
顔も覚えてないし、喋った事もないような奴が来て「よう!久しぶり!オレの事おぼえてる?昔よく遊んだよナ!お前のCD全部持ってるゼ!電話番号教えろよ!今度遊ぼうぜ!なんだよ、親友同志だろ!?なぁ?しかしお前もBIGになったよな、本当に。「いいとも」出たら、オレの事紹介しろよな!」とか言っててスゲェ激しいの!お前なんか知らねぇっつうの。オレ笑っちゃったよホント。なんかもう有名人扱い。いやぁうれしいね。
でもね、一番うれしいのは、幼稚園からずっと一緒だったBUMPのメンバーと、ついに!とうとう!成人式を共に向かえる事が出来たって事かな!?
皆も友達は大事にしよう。
一番どうでもいい奴が一番の友達だったりするよね。
藤原インテリ日記 第七回 「風邪をひくと、今年はインフルエンザになっちゃうらしいぞ 」
レコーディング終了。我ながらよくぞ成し遂げたものだ。
笑いあり、涙ありの実にエモーショナルな2ヵ月間だった。
スタッフ、メンバーはもちろん、友人に、両親に、兄弟姉妹に、時にはストーンズやTHE WHO、ビートルズ等に、さらには詩を書く際によく利用させてもらったファミレスのねーちゃんに至るまで、実に多くの人々に応えんの言葉や、エナジー、情熱をもらった。
あ、忘れちゃいないぜ。ファンの皆、これからファンになるだろう皆の存在。君達の声、ちゃんと聞こえていた。この場を借りて御礼申し上げます。イェーイ センキュー。
さて、肝心のアルバムの出来、内容だが、まぁハタチでこんだけの詩曲を書く人間はオレぐらいだろう。
そんなオレと、オレが選んだ最強メンバー。どんなに下手クソでもオレが選んだ愛すべき最強のメンバーだ。
全員むき出しの感情が容量オーバーで打ち込まれている。そんなアルバムだな。うん。字きたねぇな。ごめんね。
ま、要するに(セールスは別として)最強のロックアルバムを作っちまったと。そう言いたい。
このアルバムは近日皆のもとに届くと思うので、この数々の名言の真偽を気になる人は確かめてみてくれよ。
そして、いろいろと好き勝手言えばいいよ。でもな、最強のロックアルバム、この発言。これだけは死んでも取り消さないぜ。たとえ金を積まれても。崖っぷちに立たされても、だ。ここに誓ってもいいね。オレの血と誇りと親にもらった大切な名前にかけて、正々堂々と誓ってやるよ。
それだけの価値が、このアルバムにはあるって事。
ずいぶん一人よがりなコラムになっちまった。ごめんよ。
でもな、これ読んでる人さぁ、あんたも主張はするべきだぜ。今のオレみたいに格好つけたい時ってあるだろ?そういうヤツ。オレ大好き。
藤原インテリ日記 第8回 「B-PASS万歳!!」
様々な都合により、チマチマとやってきたこのコーナーも今回でしばらくお休み。
どうだろうこれは。十人十色の意見があると思われるが。寂しいと思ってくれる人。ムダなコーナーが省かれてせいせいしてる人。
後者はその人にもオレにもお互いどうでもいい存在だが、前者を放っておく程オレはロッカー気取りになれないので、今回はそんな連中に対して「ひょっとしたら最後のメッセージ」を書きなぐりましょうか。
そもそもの理由として大きく掲げられるのは、君たちのせいだ。
こんな小さなコーナーでも、しっかり読んで、手紙までくれて、ビシバシ応援してくれるだろ?
そんな事してくれちまうから、バンドが最近やたらとでかくなって来て、なんだか忙しくなってきたの。わかるか?ん?お前らのせいなんだよ!!
お前らがいつまでも女々しく「体には気をつけてね」とか「BUMP最高!」みたいに言ってやがるからチクショウ!!忘れねぇからな!
このコーナーを楽しみに待っていてくれた人達、君たちのおかげでなんかオレ少し泣きそう。
「寂しい」はおかど違いだよって書きたかったんだけど、なんかマジちょっと寂しいね。オレだけかい?オレ独りかい?ん?
いつの日かまた戻ってきても平気かい?
コメントを残す