退職勧奨を断ったらオフィス業務から現場勤務に配置転換された経験があるので、それについて書いていこうと思う。
連日の面談に疲れ、何度も要求した書面は一向に提示してもらえず、会社に対する不信感ばかり増していった体験となった。
目次
1日目・面談①「雇用の継続はもうしない」
入社して2年経たない頃、僕はある日突然社長に呼び出され「戦力外通告(仮)」を言い渡された。
具体的な内容としては、「来月からパートとして新たに雇用契約をし直すか、辞めるか選べ。正社員としての雇用の継続はもうしない」とのことだった。
雇用を継続できない理由は、「技術力不足」「コミュニケーション能力不足」「会社の業績悪化」だと説明された。
急な話だったので、とりあえず「考えさせてください」と言い、その日の面談は終わった。
捕捉「会社のこととか」
僕は、社員10名ほどの中小企業--零細企業といってもいいくらいの規模の会社の、IT部署に配属されていた。複数ある自社サイトの管理・更新(デザインやコーディング、企画等含む)から、サーバー管理、広告運用、あらゆる資料作成、その他社内のPC関係のことは他部署のものでもほぼ全て自分が担当していた。小さな会社では兼任はよくあることで、そこに不満はなかったし、むしろ色々と経験できて良い環境だった。
入社直後から社長に気に入られ、わずか一週間ほどで部署のリーダーとして経営会議に出席した。
典型的なワンマン経営で、こちらの意見を聞きたがるが自分の気分と合わないことを言われると冷遇する、自覚のないモラハラ、不透明な経営方針など、どこにでもいるタイプの社長なのでイメージしやすいかと思う。
僕はあまり、イエスマンのような人付き合いが得意ではなく、こういった経営者(直属の上司)の元で働くには向いていなかった。というより社会人経験の乏しさから迷惑をかけることが多かった。当然社長からは徐々に冷たい目で見られていくことになる。
新しく入社したスタッフを今度は気に入り、僕はリーダーから降ろされた。その人はデザイナーだったため、僕が担当していた業務はほぼ全て外部委託となった(僕もデザイナーとして雇用されていたのだけれど)。4ヶ月ほどデータ入力だけをする日々が続いた。
社長の口癖は「俺は忙しい」「いい人材がいない」「馬鹿か」「俺は社長だぞ」。
2年間で辞めていった社員は15名ほど。
2日目・面談②「解雇通告ではなかった」
さて、話を戻して「戦力外通告(仮)」の翌日、僕はあらためて社長と対話した。
このときに伝えたのは「パート雇用、退職ともに自分の望むものではない」ということと「解雇通知書の内容を確認したい」ということ。
すると、先日の通告は「解雇通告ではない」と言われた。「雇用契約の継続は絶対にない」と断言されていたので、言っている意味がよくわからなかったが、とりあえずパート雇用と退職については承諾せず、その日はそれで終わった。
3日目・面談③「退職勧奨」
この日の面談で「退職勧奨」を言い渡された。
退職勧奨とは、ざっくり言うと「会社側が辞めてほしい社員に条件を提示し、退職していただけませんか? とお願いをすること」だ。
「会社都合退職にする」「多少のお金も包む」など、口頭で伝えられた。多少のお金とは本当にわずかで、5桁の金額しかなかった。
この時も僕は「とりあえず書面をいただきたい。今のままでは何とも言えないので、それを拝見してから検討したい」と伝えた。
4日目・面談④「配置転換」
翌日、社長から急な呼び出しがあった。
僕は退職勧奨についての書面をいただけると思っていたのだが、結果は想像の斜め上をいった。
社長の口から、今度は「配置転換」が告げられた。
オフィス勤務から、工場など現場への異動だった。
僕は、選択肢を増やしていただいたのだと思い、これ以上迷惑もかけられないので、それならば「退職勧奨」のお話を進めてくださいと伝えたのだが、「ああ、あれはもう無しだから」と社長は笑って言った。
そして「もう君と話すことはないから、あとは社労士に話して」と言い捨てられ、最後の面談は終わった。
捕捉「社労士との会話」
社労士とは、正しくは「社会保険労務士」といい、労働関連法令や社会保障法令に基づく書類等の作成代行を行なったり、労務管理、社会保険に関する相談相手になってくれたりする、経営者の味方だ。
いち社員が今回のようなケースで社労士と話をするような事態は、あまり例がない。
なぜなら、特に話すことがないから。
しかし、せっかくなので、電話をかけ、今回の件での疑問点などを尋ねてみた。
- 「業績悪化が原因のひとつと言われたので、具体的な数字を会社に提示要求できるか」
→会社側が社員に数字を提示する義務はない。
- 「他業種に配置転換される可能性の有無が雇用契約書に記されていないが、今回の件は不当ではないのか」
→雇用契約書に記されていない場合でも、就業規則に記されていれば適用される。(就業規則が何よりも強力だと説明された。)
- 「退職勧奨を撤回しての配置転換は不当ではないのか」
→不当ではない。
- 「秘密録音をした音声があるが、それは何か力を持つか」
→持たないことが多い。結局のところ、発言者が「そういうつもりでは言っていない」と主張するケースが多い。
その後「現場にて」
面談から1ヶ月後、現場勤務となった。
主な仕事は梱包や発送、在庫管理など。
パートとして勤めていただいている80歳のおじさん方と黄砂や埃を被りながら仕事をしている。
給料は5分の4程度に下がった。賞与も出ることはないのだろう。
パソコンにふれることは一切なくなり、社内のスケジュールや報告などを共有しているツールも、社員の中で僕だけ確認することはなくなった。
社長は毎日のように現場に顔を出し、ニコニコしながら僕に話しかけてくる。
「よう、元気か? 大変だろ?」
今もこの会社で働いているのでしょうか?
私も会長との面接で面接用紙に言いたいことを書いたら急な配置転換をさせられました。
(われながら賢くはなかったです、、、。)
コメントいただきありがとうございます。
現在は転職し、別の会社で働いています。
実は配置転換から2ヶ月後に出向事例を出されてしまい、真夏に鳶職になるか辞めるかの二択を迫られました。
そちらの細かな状況は分かりませんので何とも言えませんが、進展?等ございましたらぜひお聞きしたいです。
お互い頑張りましょう!